ぶるーすかいぶるー
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教室に着くと座っていたのはガリ一人。

朝早くに着いてしまったからだろう。

「おはよガリ」

「…おお」

いつもより元気がない。

「寝不足っすか」

「あのさ」

質問に答えろハゲ。

「なに」

ハゲの隣の机に座る僕。

「お前好きなやついるか」

ははーん。振られたなでこっぱち。

「いないよ」

嘘だ。

好きな人ならいた。

同じクラスの美奈ちゃん。

でも言うもんかガリに言うと広まりそうだし。

「美奈ちゃんだろ」

げ…、ばれてた。

「んでそれがどうかしたの」

話をそらす僕。

「俺さ小学の時から祥子と一緒なんだよ」

祥子は隣のクラスで男女関係なく接する彼女にファンは多い。

「その祥子が付き合ってる二個上の男と別れて…やっとチャンスが来たと思った」

「おお」

「セッタの匂いが好きだって聞いたから吸いはじめたよ」

「タバコ吸ってんのか」

それなりに驚きはあったがシンちゃんややっちも吸っていたからガリも始めるんだろうなって思いはあった。

「ああ、だけどな高二の終わりに…転校するんだあいつ」

「それで?」

僕はわざと冷たく言った。

「それで、だと?」

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