お姫様と1.5人の男
桜太君はこれ以上自分に言わすなと言わんばかりに睨んでくるけれど、

こればっかりは桜太君自身にしか分からない事だからねえ…………

すると玄一さんはポンっ片方をグーにした手で広げたままの手を叩く。

何かを思い出したかのように、懐かしむかのように言う。


『そういえば桜太は呪い自体トラウマと言う奴だったのう……』

「なっ……ジジイ、勝手な……」

『確か小学生の時だったかのう。怖い話が流行っていたらしく呪いの呪文を言い合ったらしいんじゃ。
そしたら桜太……もうずっとしなくなったおねしょをして、儂らを驚かせていたのう。
とっくに治ったのにまたおねしょ、だなんて。聞けば呪いをかけあって、金縛り。
それの所為で行きたくてもトイレに行けなかったと言う訳じゃ。
殺されるかと思うほどに強く絞めつけられたらしくて、それが今でも忘れられないらしいのう』


桜太君にそんな過去があったなんて。可愛いのか怖いのかよく分からないけれど、

此処で可愛いなんて言ったら何されるか分からないから言わないでおこう。
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