お姫様と1.5人の男

「で、では……準備しますね。お2人とも、お戻りになって下さい。
前当主は桜太さんの様子を見ていてあげて下さいね?　雪佳さんと一緒に居辛いでしょうし」

その大峰さんの言葉であたしは玄一さんよりも早く、その場から逃げるように部屋に戻った。

ベッドにうずくまり、怒りと悲しさを抑えようとした。

でも信じて欲しい人に信じてもらえなかった事を考えると、余計に怒りと悲しさはなくならない。

ご飯を食べたらこの場所を出て行く。信じてくれない人とは一緒にいたくないから。

あーあ、早く晩御飯出来ないかな。あたし達があの時邪魔をしたから、時間がかかるよね?

仕方ないか……気付いたらベッドがあまりにも心地良い。

このまま眠ってしまいそうな勢いだ……あーあ、今は何にも考えたくないや。

………………………………………………………………ん?

今何時だろう?……って、えぇ!?あれから1時間30分経っている?

うっかり寝ちゃってたんだ。あたしってば。もうご飯は出来ているよね?

ヤバい!そうだとしたら迷惑かけちゃったかも!行かなきゃ。