お姫様と1.5人の男
降りて来れば全員がお揃いで。

そんなに待っていないよって表情されているけれど、絶対待っているような気がする。

それにしても、カレーっぽい匂いがするのは気のせい?

でも1時間30分程度なら丁度良い頃?よく分からないけれど、とりあえず謝らないと。


「ごめんなさい! 来るのが遅くなって」

「いえ、待っていませんから」

「別に気にするな」

「それよりも今日でいなくなるなんて寂しいわぁ」


口々にあたしの予想通りの言葉が返って来るけれど、玄一さんは無反応。

そうだよ、あたしを信じてくれないんだもの……謝られたって……ねえ。

これが最後の晩餐ってやつか……じっくり味を楽しんじゃおうかな。


「いただきます」


慌てていたから気付かなかったけれど、今日の晩御飯はビーフカレー。

あ、これなら1時間以上かかるから謝る必要なかった……?ま、良いか。
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