お姫様と1.5人の男
『とまあ、冗談はこれくらいにするかのう……女の子はお花が好きだから、仲直りの印にお花を贈ろうと思っての。
で、何が良いか調べて貰ったんじゃ。信じるとかの花言葉があれば良いのう、とか思っていたら、見事にヒット。
早速買いに行こうと桜太を誘おうとしたんだがのう……お花屋さんへ今から行くのは無理とか言われちゃっての。
まあ行ってもハナショウブがなければアウトー! だからのう……
だったらこれプリントアウトすればいいだろとか言われてそうしたまでじゃ。
ついでに一言書きたかったのに、桜太が憑く事許してくれなくてのう……桜太が代筆した訳じゃ』


安上がりに済ませたかったに違いないな、と言う桜太君の思いが伝わってきそうだ。

それはさておき。面向かって謝る事の出来ない玄一さんなりの謝り方……?

よくありそうな謝り方かもしれない。でも玄一さんが伝えたい事はよーく分かった。


「本当に信じていなかったら、こんな手間のかかる事しないもんね」

『……! と言う事は……』

「うん。出て行かない。あたしもムキになってごめんね。でも1つだけ、やってほしい事があるの」


それは大峰さんに謝る事。あたしを信じると言ったならば、大峰さんとの出来事も信じてくれても良い筈。

玄一さんは大峰さんを疑い過ぎたから、謝るのは当然と言うかなんと言うか……
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