お姫様と1.5人の男
「だってさだってさ……こんなに2人とも一生懸命やって、勿論勝ち負けはついちゃうよ?
でもどっちがより一生懸命だったかとかを判断するのは、あたしには出来ないよ。
どっちだって手抜きは少しはしたかもしれないけれど、2人なりの一生懸命だったんだよ?
失礼じゃん。あたしが軽くそれを決めちゃうなんて。あたしから言わせてもらえば、どっちも格好良かったよ!」


ちらっとウメスケ君の方を見てみると、格好良かったと言う言葉に胸を撃たれたのか、

何だかとても嬉しそうな、それだけを言われて満足のような笑みを浮かべていた。


「でも、勝負なんだからきちんと白黒つけろよな?」

「引き分けなんて私は絶対に認めないんだから!」


それでもブーイングがおさまらないからさあ大変。

あまり言いたくなかったんだけど、言うしかないか。止めの言葉的な言葉を。


「何言っているの? この勝負の勝敗はあたしが決めるんでしょ? 文句は言わせないよ。
ルールでも引き分けにしちゃダメだって言うのはなかった訳だし。ね、宮瀬君?」
< 180 / 227 >

この作品をシェア

pagetop