お姫様と1.5人の男
そうだよね。男子の大半がメロメロになっちゃうくらいに、

周りが認める美人さんだもんね。歩子さんは。

あたしも代われるものなら貴女と代わりたいよ。

でも配役を決めた3人は絶対に許してくれないと思うんだ。


「それは企業秘密って事にしておこうか。今の所はね」

「何それ!? まさか、彼女の名前の中に“雪”って漢字が入っているからじゃないでしょうね?」


……そういえば、と言われて気付いた。もしそれだけの理由ならあたしも怒るよ?

でも理由はそれではないとすぐに否定してくれたから良かった。


「おい、もう話は終わったのか?」


桜太君がやや不機嫌そうに一言。玄一さんがいないからか、

本当に長話をしてしまっていたからなのか、不機嫌の理由は分からない。

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