お姫様と1.5人の男
「いきなりジジイがやった事とは言え、俺はジジイの意思に乗っ取られた。
もう少し俺が強くなければ佐宗を不愉快にさせる事もなかったんだからな」

『そうだ。お前が強くなかったんだから儂は……』

「黙れ、ジジイ」


調子に乗りかけていた玄一さんにドスの利いた声で黙らせる。

これくらいの言葉なら物怖じなんてしない玄一さん。

なのに少し震えていたのは気のせいかな?

もう幽霊だから怖いものなんてなさそうなのに。


「つまりは俺の意志の弱さもあるから、全てジジイの所為ではない。
それは謝る。お前が悪いように言った事も含めて……すまない。
ていうか怒らせるつもりなかったんだけどな」


うん。桜太君は何時もそんな調子だから分かっているよ。
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