お姫様と1.5人の男
そう話す玄一さんの目は孫を見守るおじいちゃんその物。

その姿は何だか素敵に見えてしまう。

でも今は“これが良い友達?”と言いたくなる光景なのが残念。

そろそろ止めないとやばいよね。ウメスケ君の喉の為にも。


「えーっと、いい加減やめたら? 疲れちゃうよ?」


さっきの玄一さんとの会話は聞こえなかったくせに、

あたしの声に気付いて漸くあたしの存在に気付くウメスケ君。


「い、何時から……!?」


何時からって、ずっとだよ。

今更だから落ち込まないけど傷つくな……

ずっといたのにあたしはまるで空気みたいな存在だったんだもの。
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