お姫様と1.5人の男
『それでの……このアホな孫の目線で授業を見ていたら』

「俺はアホでもねえよ、アホジジイ」

『右斜め前の窓際にりつ子……じゃない、出会った頃のマイワイフの生き写しがいてのう』


それがあたしだった訳ですね、玄一さん。というか、玄一さんの奥さんはりつ子さんっていうんですね。

で、放課後の帰り道に桜太君に憑依して連れ去ったと。ちょっと納得。


『雪佳ちゃん、お願いがある』

「何でしょう?」


一通り納得した所で玄一さんは改まってあたしを見つめる。何か嫌な予感がするんですけど。


『儂のお嫁さんになってくれないかのう?』


…………想像の範囲ではあったけれど、やっぱり驚くものは驚く。

あたしが幽霊のお嫁さん?無理に決まっているじゃない!?
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