とおりゃんせ【短編】
「ちょいと


通してくだしゃんせ~


ご用の無い者


通しゃせぬ~・・・」




こんなに可愛らしい女の子にせがまれ


良枝は


その子の引っ張る方向へ


一緒に足を進めていた



良枝は 子供たちの並ぶ列の


最後尾に女の子と並んだ



「やっと 願いが叶った」


手を握っていた女の子が


そう呟いた


「願い?」


良枝は女の子の顔を覗き込んだ


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