桜雪の空に
時間が経つのがいつもより遅いんじゃないかと思うくらいに

やっと迎えた放課後。


俺は荷物をまとめて

保健室になのはを迎えに行った。


『なのは。だいじょうぶか?』

俺の問いかけに、

なのははにっこり笑ってうなづいた。


『だいぶ落ち着いたけど、ごはんしっかり食べて、

念のため病院に行きなさいね?』

という保健の先生に軽く頭をさげ、

俺となのはは学校を出た。


『ごめんね、リヒト』


『いいよ。お前は自分の心配だけしてろ。』


俺は

自分のと、なのはのと

二人分の荷物を持って

なのはの手を引いて帰った。



断られても、今日は家まで送っていくつもりだった。
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