桜雪の空に
なのはの家は

最寄の駅から少し遠いところにあって


無理をさせないよう

ゆっくりゆっくり

休みながら帰った。


なのはがちょっと座りたいのというので

公園のベンチで休むことにした。


気分がよくないのだろう、

声に力が全くない。



『歩いて帰れるよ』

というなのはの言葉を無視して、

やっぱりタクシーにしとけばよかったと思った。


うつむくように

自分の足元をずっと見つめたままのなのは。



小さく震える肩

ぎゅっとにぎった手にういた青い色

白い顔細い首華奢な腕小さな膝…



俺は思わずなのはを

抱きしめてしまっていた。


< 27 / 46 >

この作品をシェア

pagetop