1つのヒカリ
「何でそんな大槻を守るの?」

「友達だから」


友達…。


千種ちゃんは問いかけに"友達"って即答してくれた。

私は自然と涙がこぼれその場にしゃがみ込んだ。


「…あんな奴と友達って…」

「あんな奴って夜瑠に失礼じゃない。夜瑠の事侮辱するのは止めてよね。じゃないと私本気で怒るよ?」

「ッ…」


…千種ちゃん……。


「同じクラスメート何だから仲良くしなよ。何でそんなに虐めとかするの?そんな事して面白い?」

「楽し…くわないと思うけど……」


段々女の子の声が途切れ途切れになってきた。


「なら止めな。2人だって虐められたら嫌でしょ?それと同じように夜瑠だって本当は嫌なのよ。」


千種ちゃんの言う通り本当は嫌…だよ…。


「でもあいつ何も言って来ないし…」

「それは夜瑠が悪い。でもだからって虐めする奴がいる?」

「「……」」

「な,何よもう知らない!行こッ」

「うんッ!」


最終的には,2人は千種ちゃんの傍から離れ私に気付かないまま教室へと戻って行った。


「ふぅ…ってあれ?夜瑠もしかして見てた?」


千種ちゃんも教室に戻ろうとした時,私に気付いてくれて声をかけてくれた。


見つかった…。


「う,うん…ゴメン……」

「良いよ~。聞かれて減るもんじゃないし」

「……ありがとう…」

「うん!」



私は初めて本当の友達だって思える人を見つけました。
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