1つのヒカリ

暗闇

｢お前何ていなくなれ!｣

｢来なきゃ良いのに…｣

｢邪魔だよね｣


大槻夜瑠(ｵｵﾂｷﾖﾙ)。

静かで自分から人に話しかけるのが苦手な私は,小さい頃から虐めの標的になっていた。
言葉の嫌がられは毎日の事。
暴力だって振るわれた事もあった。

母親は小さい頃に亡くなって父親1人。
だけど父親は仕事が忙しくて家に帰っては来ず,打ち明ける事も出来ずにただただ虐めが止むのを望んで耐えるしか出来ずにいた。

だけど虐めは止む事がなくて高校2年生になった今でも虐めは続いている。


｢ねぇ,此処にゴミ置いたの誰ぇ?｣

｢誰だろね?｣


女の子の1人が私を指さし嫌がらせの言葉を言うと周りが笑い出す。


｢つまみ出してゴミ箱に捨てて来いよ?｣

｢そうだね。来いよ!｣


?!


男の子の言葉で,指さしていた女の子が私の腕を思いっきり掴んで教室から連れ去って行った。


*


ガッシャーン!


教室を出た私達は,コンテナのある裏へとやって来て女の子に勢いよく投げられ転けた私はコンテナに背中を打った。


｢ゴミは此処にいな。教室に入って来んなよ｣


女の子が腕を組んで私を上から怖い顔で睨み付けその場を後にして行った。


｢痛ッ…｣


起きあがろうとすると膝が痛み,見てみると血が出ていた。


｢もう…死にたいよ……｣


生きているのが辛い。
だから死んで楽になりたい。
…そう思う毎日。

でも,死ぬ事でさえ怖くて出来ない私。


何も出来ずにただ耐える私が嫌で嫌で仕方がない…。
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表紙・目次

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