1つのヒカリ
バリッ


ほら…。


「ど,どぅ?」

「ん゛~…」

「不味い?」


何て言えば…。


「お,美味しいよ…?でも…」

「でも…?」

「卵のカラが少し入ってる……」

「え゛!?」


言っちゃ駄目…だったかな?
でも正直言わないとただのお世辞になるし…。


「ごめん…」

「謝る必要ないよ。私の方がゴメンね。カラ,入ってたんだ~…ショックぅ…」


しょんぼりする千種ちゃん。


「あ,でも美味しいよ?」

「ン,ありがとー」


言わなきゃ良かった?


千種ちゃんの表情を見ていると後悔してしまう。


「参考になったよ!今度は気をつける!!」

「あ,うん。頑張れ…」


良かった…。


千種ちゃんは笑顔で自分の作った卵焼きを食べて「あ…本当だ……」と言って失敗を認め次にいかそうと決めていた。


そして,次の日も千種ちゃんは自分で弁当を作ってきて私に試食を頼んだ。
私はまた卵焼きを食べた。
今度は,醤油がききすぎていて辛かった。
それを千種ちゃんに伝えると今度も「今度は気をつける!」と言っていた。


それから2日後に試食した卵焼きは成功していてとても美味しかった。
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