1つのヒカリ

笑い者

「見てよあれ~」

「うわ,汚ッ!」


怪我した所を水道で洗って絆創膏を貼った私は,教室へと戻るため廊下を歩いていた。
そしたら,私が通るところに居た人達は私の方を見てクスクス笑ったり引いた目で見たりしていた。


私,お風呂ちゃんと入ってるのに…。


多分,さっきコンテナに何分かいたせいで臭いがついてしまったんだと思う。
立ち上がる時コンテナに手で触っちゃったし。


「あ,夜瑠じゃん」

「え……」


この声は…
冷子……。


私は,声がする方を見てゾクッと寒気がした。


「っかあんた臭ぁ~!」


何故かって言ったら,相手が私の事を虐め始めた第一人者。
安谷冷子(ヤスタニレイコ)だったから。


「あんた,お風呂入ってんの?」

「は,入ってるわよ……」

「は?聞こえね~」

「痛ッ…!?」


私の髪をグイッと引っ張る冷子。


「ちゃんと言いたい事はハッキリと言えや糞が!」

「ッッ……」


耳元で怒鳴りつける冷子。
耳がキーンと耳鳴りがする。


「って虐められっ子な夜瑠ちゃんには無理か~。最後に言っとく,もうこの学校来んなや。みんなあんたの事良く思ってないからさ。」

「……」

「友達として忠告してあげてるんだから言う事聞きなさいよね~。」


冷子は,私の髪から手を離して私に背を向け歩いて行った。


何が友達よ…。
虐めてるのに友達なんて言えるわけないじゃん。
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