tears
まだバイバイしたくないよ、大輔。
朝まで、うぅん月曜日までずっと一緒にいるつもりだったのに。
「なっ、どうした、ルネ!?電話の相手は!?」
大輔が慌てて涙を拭ってくれる、大きな手、あったかい。
アタシは大輔に抱きついて、頭を撫でてくれるのもそのまんまに、お姉ちゃんにムカついていた。
「お姉ちゃん・・・帰ってこいって・・・」
「何だと」
「え?お姉ちゃん。帰って来いって。用件は言わなかったよ」
「もう我慢ならん」
え?大輔、キレてる?
アタシの肩を抱いたまま凄く怖い顔をする。
「え?」
「ネネは横暴過ぎる。今のままではお前が気の毒だ、俺が言って聞かせてやる」
え、ぇ?何言ってんの?
アタシは大輔とお姉ちゃんがケンカして板挟みになる方が嫌なんだけど。
そんな呟きは聞いてもらえず、大輔はアタシの手を引いて駅に向かっていく。
対決は避けられそうになかった。
観覧車・・・乗りたかったなぁ。
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