tears
程なくして、一組のカップルがバーに入ってきた。
課長は女の方に手を振る。
いかにもバカ女と言った感じの、「可愛らしさ」を振り回す巻き髪が笑いながら頭を下げた。
男の方はかなり気難しそうな・・・若そうな風貌をぶち壊す眉間の皺と、綺麗な金髪をオールバックにした髪型が、近寄り難い雰囲気を作っていた。
「こんにちは、え~っとぉ・・・内川、さん?お姉ちゃんがお世話になってます☆」

「姉妹!?」
よくよく見てみると、似ているような気がしてきた。
あまりマジマジと見てしまったためか、女の彼氏であろうオールバックがこちらを睨みつけてくる。
嫌やなぁ、あれマジDQNやで。こわっ。
「あれぇ、話してないの兄ちゃん?」
「なっ・・・ちょっ・・・課長はん!」
「まぁ落ち着けよ。彼女はルネ。ネネの妹だ。で、二人は俺の姪だ。」
「はぁあ!?何言うてんねん聞いてないで!!」
「話してねぇもん。」
煙草をふかしながら笑う。
とりあえずはぐらかそうとする課長を放っておくことにして、ネネの妹の肩を掴んだ。
「なぁ、ネネどうしてるん?何で今日来なかったん?俺、嫌われてしもたんかなぁ?」
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