ゴーストシンガー
和泉君と私の視線が絡み合う。

「可愛い」

穏やかな表情と口調。
目が離せない。

和泉君が距離を縮める。

それはスローモーションのように見えたのに、何が起きたのか分からなかった。

唇に感じたことのない感触がある。

初めての経験。
柔らかいと思った。

驚きで言葉なんて出なかった。

「やべっ。チャノちゃんは可愛すぎる」

熱い眼差しってやつが、向けられている。

会ったその日にキスなんて、対照的に見えても和泉君は三宅の友達なんだって思った。

手を出すのが早い。

和泉君なら悪くないって思う私も私だ。

抵抗もなく2度目のキスを受け入れた。



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