准教授 高野先生のこと

「詩織ちゃん」

先生は私のことを“詩織ちゃん”と呼ぶことに決定したのだろうか?

もちろん望むところだ!どんとこいっ!の私だけれど。

「実は僕らの次の展開を固唾を呑んで見守っている人達が3人、いや4名ほど」

「え゛っ!!」

私は咄嗟に先生を突き飛ばすようにして体を離した。


そして、ぎょっとして辺りを見回すと――


お散歩途中と思われる仲睦まじい年配のご夫婦が一組。

そしてさらに――

これまたお散歩に来たと思しき中高生くらいの女の子と大型犬が一組。


3人と1頭(大型犬は匹じゃない)が私たちに刮目していた。


しかも――

明らかに私と目があったにもかかわらず、皆さんちっとも怯まない。

“で、次は?”みたいな、ある種の期待の眼差しでじっとこちらを見つめている。





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