准教授 高野先生のこと

秋ちゃんや真中君は高野先生や森岡先生をサン付けで呼ぶ。

現在私が学ぶY大学は先生方の母校でもある。

ずっとずっと脈々と続く縦の繋がり。

高野先生くらいの若手の研究者は同窓の先輩として後輩に関わっているのだった。

学生のほうも先生としてではなく先輩として研究の相談なんかをしているようだし。

もっとも――

他大学の学部出身の私はそういう輪?にイマイチ溶け込めないでいたりするけれど。



「シオリンもいよいよかぁ」

秋ちゃんは、ムフフフと意味深に笑った。


「いよいよ?」

「今度の土曜日は勝負下着着用じゃん?」

「うーん」

やっぱり今度先生に会ったらそうなるのだろうか???


「何?何?何?なんで難色を示しちゃってるわけ?ん?」

「難色っていうか……」

「なに?」

「もう、しちゃうのかなぁっていうか……」

「は?」

「しちゃっていいのかなぁっていうか……」


だって、先生と私はついこの間つきあいはじめたばっかりなのに。




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