准教授 高野先生のこと

夏川さんと秋ちゃんの場合は本当に大変だったと思う。

二人とも同じ大学にいる間に関係がバレていたら、それこそもう……。

真中君はそんな二人の良き理解者として、協力者として尽くしていたに違いない。


「ボク、高野サンとシオリンのこと応援しますから!」

真中君は力強く宣言して、運転中の先生と後ろの私を交互に見遣った

「真中君、ありがとね」

このことだけじゃなくて、いつもいつも有難うって感謝してる。

「なんのなんの。ボクら3人の友情は永遠ってことでさ。なっ?アッキー」

「そうそう。あたしの分までシオリンのこと頼んだからね」

「おーともよ!」

秋ちゃんの頼みを胸を張って請け合った真中君。

そんな彼に――

「運転しながらで恐縮なんですが……」

先生が申し訳なさそうに、とても控えめに話しかけた。

「先輩の我侭と思って、僕の頼みも一つ聞いてはもらえませんか?真中君」

「も、もちろんです!」

真中君の頼もしい言葉を受けて、先生はその頼みとやらを話し始めた。



< 325 / 462 >

この作品をシェア

pagetop