准教授 高野先生のこと
夏川さんと秋ちゃんの場合は本当に大変だったと思う。
二人とも同じ大学にいる間に関係がバレていたら、それこそもう……。
真中君はそんな二人の良き理解者として、協力者として尽くしていたに違いない。
「ボク、高野サンとシオリンのこと応援しますから!」
真中君は力強く宣言して、運転中の先生と後ろの私を交互に見遣った
「真中君、ありがとね」
このことだけじゃなくて、いつもいつも有難うって感謝してる。
「なんのなんの。ボクら3人の友情は永遠ってことでさ。なっ?アッキー」
「そうそう。あたしの分までシオリンのこと頼んだからね」
「おーともよ!」
秋ちゃんの頼みを胸を張って請け合った真中君。
そんな彼に――
「運転しながらで恐縮なんですが……」
先生が申し訳なさそうに、とても控えめに話しかけた。
「先輩の我侭と思って、僕の頼みも一つ聞いてはもらえませんか?真中君」
「も、もちろんです!」
真中君の頼もしい言葉を受けて、先生はその頼みとやらを話し始めた。