准教授 高野先生のこと
怖いもの見たさならぬ聞きたさ?で私は話の先を促した。
「そんなにモテモテだったら彼女なんて選り取り見取りだったんでしょうねぇ」
「まあね、いくらモテてもさ、森岡も高野も自分の彼女一筋だったんだけどね」
モテないわけじゃなかったけど彼女一筋だった高野先生。
先生の一筋の相手はいったいどんな女性だったんだろう……?
「森岡先生とか高野先生の彼女って、どんな人だったんですか?」
なんていやらしい姑息な聞き方だろう……。
森岡先生の一筋の相手は今の奥さんに違いないって知ってるくせに。
高野先生のことだけ聞くと何か不自然に思われそうで。
もし追求されて困るのが嫌だと思ったから……。
「おっ、やっぱり女の子はこういう話、興味あるんだねぇ」
ボクんとこの学生もそうだもんなぁ、と田丸先生はハイハイハイと頷いた。
「女子学生って教員の私生活とか恋愛事情に何故か興味あるよなぁ」
「そりゃあ……興味津々ですよ。大好物ですとも」
「まぁ、大昔の話だし……うん。いっかな」
そうして田丸先生は森岡先生と高野先生の学生時代を語り始めた。