准教授 高野先生のこと

「秋ちゃん。私、どうしたらいい?」

「どうしたらって……高野サンはけっこう今のままでも本当に満足かもよ?」

「え?」

「んー。あんね、男には二種類あるわけよ。

一つは、自分が気持ちよくなることがとにかく大事で目的はそれってタイプね。

んで、もう一つが女をどんだけ気持ちよくさせられるかに命懸けるタイプ。

あんたの彼はおそらく後者のタイプだね」

スバリその通りだと思った……。

だって、ちょっと大げさな言い方をすると――

彼は私を楽しませたり喜ばせたりするのが生きがいのようなところがあるから。

「高野サン、Sっぽいもんねぇ」

「えええっ!」

すごく意外……。

だって彼の雰囲気はむしろ……。

「シオリンはわかってないよ。Sは何のSか知ってる?」

「sadismとか、sadistとかでしょ?」

「実はserviceだって話もあるよ?高野サンは奉仕の人っぽいじゃんよ」

奉仕の人……そう言われると否定できない。

「シオリンはMっぽいから、ちょうどいんじゃん?ねっ?うんうん」

「もう、秋ちゃんっ!」

「いやいや、けっこう重要だよ?」

「えーっ」

「ウチだってね、夏川がドMなおかげで夫婦円満?みたいな、さ」

「ええーっ!」

あの夏川さんが……!?

それこそ意外すぎて、私は衝撃でひっくりかえりそうになった。

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