准教授 高野先生のこと
5.お返事着いた
郵便受けの中に、高野先生からの手紙を見つけたとき。
私は本当にほんとうに驚いた。
なにしろ返事がくるだなんて、まったくの想定外だったから。
それに――
私が手紙を投函してからまだそれほど日数がたっていない。
どう考えても?どう計算しても?
先生は私からの手紙を読んで、すぐに返事を書いて出していた。
それを思っただけでもう……。
私は胸がいっぱいになった。
もちろん――
先生は律儀で筆まめな人で、誰にでもそうするのかもしれないし。
けれども……それでもなんでも嬉しかった。
洋形の水色の封筒を開けると、中には一枚の葉書が入っていた。
大学の礼拝堂のポストカードだ。
厳かでいてほんのりと温かなステンドグラスが美しい。
礼拝堂は大学のキャンパスで私の一番のお気に入りの場所だった。