新女類
でも、邪魔なのが新人君の慎吾なのよね。
何が楽しくて、私に毎日くっついてくるのか…教育係だから許してるけど、どうでもいいことも全て私に聞いてくるのよ。
確かに仕事では、拓人以上に使ってるけどね。
でもその使い方もね、拓人は私が企画書を出した時点でそれを拓人のイメージで膨らませて、プレゼン資料から全て作ってくれたけど、彼はそうはいかないの。
企画を出しても、それをどうやって形にしてどういうものを作ってほしいのか、いちいち説明と打ち合わせが必要でね。
私にとって、拓人の存在がどれだけ大きかったかがわかる。
でも、逆に今までは拓人のイメージに乗せられたって感じなのかな?
慎吾は私が1からイメージを伝える分、私の本当のイメージが形になってる気がする。
これでよかったのかも・・・とも思うのよね。
でも、その分慎吾といる時間が多すぎてあの元気についていけないというか、時々ウザくて叩きたくなるのよ。
ヘマも良くするし。
でも、なんか憎めないから不思議。
今じゃ、企画課のマスコットボーイだよ。
いつの間にか人を味方に付けてる、そういう不思議な力を持ってる。
だから、すぐにうちの課では彼の事を「慎吾君」とか「慎吾」とか下の名前で呼ぶようになったの。
拓人以外で下の名前で呼ぶことなかったから、びっくりしたんでしょうけど、そういう訳なのでご心配なく。
それに私が育てた新人としては、とてもいい出来なのよ。
まとわりついて仕事を覚えるまで離れないウザい存在ではあるけれど、教えれば教えるだけ答えてくれる可愛い存在でもあるの。
私に弟がいたらこんな感じなのかなってね。
慎吾が入社してから、私と信吾はつねに一緒に行動している。
誰よりも長い時間を過ごしていくような、そんな予感がする…。
でも、それは仕事のパートナーとしての話よ。
きっと、たぶん…。
一方的なメールでごめんね、誰かになんか話したくてつい長くなりました。
またね。





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