Cold Phantom [前編]
「他の高校は遠いぜ、近くの高校も調べたが吹奏楽部が無い所しか無かった。」
「遠いってどれぐらいなんだ?」
「一番近いのでローカル線の山奥方面に15駅行って…」
「あぁ、OKどこか解った…。」
言い切る前に止められた。進路指導はたけにもその事を伝えていたようだ。
「確かにあれは遠いな、地元の人間じゃないと行かないっぽい所だし…ってか、あの場所以外の近場の学校に吹奏楽部って無いのか!?」
「進路指導はそれを踏まえた上で俺達に話してくれたのだなと昨日学校の事を調べて解ったよ。」
本当に偶然とは皮肉な物だなと思わずにはいられなかった。
「だからって北高だろ…俺達には高すぎる壁にしかならないぞ。」
「だからだ…」
俺は昨日からしていた覚悟をたけに打ち明けた。
「今から勉強するぞ。」
「…お前、やっぱバカだよな。」
たけは一言だけそう言って深いため息をついた。
その日から取り憑いたかの様に勉強に打ち込んだ。先生も「お前、いったい何に取り憑かれた?」と返したこともあったが、気にしなかった。
だが…
「なぁ、猿…やっぱり俺達だけじゃ無理だぞ、勉強なんて…」
と言う言葉が出たのは一週間後の事だった。
「遠いってどれぐらいなんだ?」
「一番近いのでローカル線の山奥方面に15駅行って…」
「あぁ、OKどこか解った…。」
言い切る前に止められた。進路指導はたけにもその事を伝えていたようだ。
「確かにあれは遠いな、地元の人間じゃないと行かないっぽい所だし…ってか、あの場所以外の近場の学校に吹奏楽部って無いのか!?」
「進路指導はそれを踏まえた上で俺達に話してくれたのだなと昨日学校の事を調べて解ったよ。」
本当に偶然とは皮肉な物だなと思わずにはいられなかった。
「だからって北高だろ…俺達には高すぎる壁にしかならないぞ。」
「だからだ…」
俺は昨日からしていた覚悟をたけに打ち明けた。
「今から勉強するぞ。」
「…お前、やっぱバカだよな。」
たけは一言だけそう言って深いため息をついた。
その日から取り憑いたかの様に勉強に打ち込んだ。先生も「お前、いったい何に取り憑かれた?」と返したこともあったが、気にしなかった。
だが…
「なぁ、猿…やっぱり俺達だけじゃ無理だぞ、勉強なんて…」
と言う言葉が出たのは一週間後の事だった。