Cold Phantom [前編]
「うん、何だか起きたら5時半になってた。制服と戸締まり、後は洗顔と歯磨きくらいしか出来なかったよ。」
「5時半って…まだ10分ちょっとしかたってないのに凄い早いね。」
「お陰でお弁当作れなかったよ。」
私はそう言って落胆する。
お弁当に未練がある訳じゃない、でもどうせならお弁当を作る方が楽だったりする。
「食堂かぁ、祥子には荷が重いんじゃない?」
「あの人混みは相変わらず…みたいだね。」
普段弁当の私には食堂はあまり縁がない。
だからあの人がごった返すあの場所が不慣れだった。
「むしろ前より多いって感じかなぁ…。ほら、新入生も入ってきたしさ…ってそんなことは歩きながら話そうよ。あんまり時間無いっぽいし。」
言われて時間を見直すと既に45分前だった。
流石に…
「歩くより走らないと行けないかも…。」
と、私は言った。
6時からの朝練は高校に入ってからの毎日の日課だった。
今日も変わらない練習風景になると思ったけど、部室に着くと何だか妙に人が多いのにすぐ気付いた。
「5時半って…まだ10分ちょっとしかたってないのに凄い早いね。」
「お陰でお弁当作れなかったよ。」
私はそう言って落胆する。
お弁当に未練がある訳じゃない、でもどうせならお弁当を作る方が楽だったりする。
「食堂かぁ、祥子には荷が重いんじゃない?」
「あの人混みは相変わらず…みたいだね。」
普段弁当の私には食堂はあまり縁がない。
だからあの人がごった返すあの場所が不慣れだった。
「むしろ前より多いって感じかなぁ…。ほら、新入生も入ってきたしさ…ってそんなことは歩きながら話そうよ。あんまり時間無いっぽいし。」
言われて時間を見直すと既に45分前だった。
流石に…
「歩くより走らないと行けないかも…。」
と、私は言った。
6時からの朝練は高校に入ってからの毎日の日課だった。
今日も変わらない練習風景になると思ったけど、部室に着くと何だか妙に人が多いのにすぐ気付いた。