Cold Phantom [前編]
「それじゃあね祥子。」
そう力なく言ってきたのはみーちゃんだった。
部活も終了し、部員も疎らになり始めた頃、みーちゃんは今から職員室に行く所だった。
朝方の例のあれで呼ばれたのだ。
私はそんな泣きそうな後ろ姿のみーちゃんを見えなくなるまで見送った後、すぐ自宅に帰る支度をした。
嫌な事がこれからあるとしても、人は待たせたくなかった。
沈みゆく夕日が刻々と時間の流れをゆっくり、でも確かに知らせていく。
今はもう昼間の様な明るさは無い。
「ちょっと急がないといけないかも…」
少し長くなった部活の影響で約束の時間に間に合わすのに少し急ぎ足になっていた。
私が家に着いた時にはまだ長池さんは来ていない様子だった。
いつもの車が止まっていなかったからだ。
車の事を詳しく知らない私でもあの車はすぐに分かる。
それには理由があるが、正直な話一目見れば誰でも分かってしまう。
それほど分かりやすい理由だった。
程なくしてその車が姿を現した。
一見何処にでも見そうなワンボックスカーが狭い道をゆっくりと進みこちらに近づいてきた。
そう力なく言ってきたのはみーちゃんだった。
部活も終了し、部員も疎らになり始めた頃、みーちゃんは今から職員室に行く所だった。
朝方の例のあれで呼ばれたのだ。
私はそんな泣きそうな後ろ姿のみーちゃんを見えなくなるまで見送った後、すぐ自宅に帰る支度をした。
嫌な事がこれからあるとしても、人は待たせたくなかった。
沈みゆく夕日が刻々と時間の流れをゆっくり、でも確かに知らせていく。
今はもう昼間の様な明るさは無い。
「ちょっと急がないといけないかも…」
少し長くなった部活の影響で約束の時間に間に合わすのに少し急ぎ足になっていた。
私が家に着いた時にはまだ長池さんは来ていない様子だった。
いつもの車が止まっていなかったからだ。
車の事を詳しく知らない私でもあの車はすぐに分かる。
それには理由があるが、正直な話一目見れば誰でも分かってしまう。
それほど分かりやすい理由だった。
程なくしてその車が姿を現した。
一見何処にでも見そうなワンボックスカーが狭い道をゆっくりと進みこちらに近づいてきた。