Cold Phantom [前編]
ようやく状況を飲み込んで落ち着いてくると、とりあえず俺が思っていた事を言ってみた。
「願っても無いが…お前は良いのか? その…お前も受験なんだし。」
「ん? あぁ、俺なら大丈夫だ。一先ずは休戦状態だから。」
「休戦? これからなのにか?」
そう言い返すと里村は少し意外そうな顔をした。その後ですぐ真顔に戻り、里村は話始めた。
「滑り止めの高校を受験して受かったんだ。今はとりあえずゆっくりしてるから暇だし、何よりも北高受けるんだろ? 教える側がいないと絶望的だと思うし。」
「高校に受験して受かったってのは噂じゃなくて本当の話だったんだな。」
「なんだ、知ってたんじゃないか。」
「あくまで噂の域だったからな…」
「それでどうする? 今なら購買の焼きそばパンとフルーツ牛乳を放課後に毎日買ってくるって言う条件と交換で良いぜ。」
…条件付きだったようだ。
パシりよろしくな条件だが、人に頼りたくなる気持ちは非常に良く解る。あれはいつになっても慣れる事がない昼休みの壮絶な儀式みたいなものだ。人口密度の凄さは計り知れない。
しかもその中で焼きそばパンを手に入れるとなると、情け無用で人だかりに突っ込まなければならない。
「願っても無いが…お前は良いのか? その…お前も受験なんだし。」
「ん? あぁ、俺なら大丈夫だ。一先ずは休戦状態だから。」
「休戦? これからなのにか?」
そう言い返すと里村は少し意外そうな顔をした。その後ですぐ真顔に戻り、里村は話始めた。
「滑り止めの高校を受験して受かったんだ。今はとりあえずゆっくりしてるから暇だし、何よりも北高受けるんだろ? 教える側がいないと絶望的だと思うし。」
「高校に受験して受かったってのは噂じゃなくて本当の話だったんだな。」
「なんだ、知ってたんじゃないか。」
「あくまで噂の域だったからな…」
「それでどうする? 今なら購買の焼きそばパンとフルーツ牛乳を放課後に毎日買ってくるって言う条件と交換で良いぜ。」
…条件付きだったようだ。
パシりよろしくな条件だが、人に頼りたくなる気持ちは非常に良く解る。あれはいつになっても慣れる事がない昼休みの壮絶な儀式みたいなものだ。人口密度の凄さは計り知れない。
しかもその中で焼きそばパンを手に入れるとなると、情け無用で人だかりに突っ込まなければならない。