Cold Phantom [前編]
何だか気になる。
確かに病院に行くには遅い時間だが、家に来るなら救急車を呼ぶだろう…。
ワンボックスカーで来ると言う事は…答えは一つしかない。
先輩は持病を持っているのかもしれない。
その持病の為に定期的にあのワンボックスカーは先輩の家に来ていた…そうとしか思えなかった。
ここは何も言わずに引いた方が良いのか解らず俺はその場を動かなかった。
その時だった。
不意に俺の携帯がジャズ演奏を始めた。音量低めなのに高々と大音量で鳴り出す携帯に俺は慌てて止めようとしたが、時既に遅かった。
「ひ…ヒロ君。」
「あっ…えっとその…何て言うか、き、奇遇ッスね。」
俺は一体何をいってるんだ。
携帯の音に振り向いてしまった先輩が複雑な顔で俺を見ていた。
(まずい…警戒されてる。)
俺はこの最悪な出会いを何とか打破しようとするが、名案が何一つ浮かばなかった。
…が。
「ヒロ君…。」
「あ、あの…俺コンビニの帰りに偶然ここに来て、決して疚しい事は…。」
「ヒロ君!」
「はいっ!」
「携帯鳴ってるよ。」
「え、あっ…。」
先輩の反応は意外にも普通だった。
確かに病院に行くには遅い時間だが、家に来るなら救急車を呼ぶだろう…。
ワンボックスカーで来ると言う事は…答えは一つしかない。
先輩は持病を持っているのかもしれない。
その持病の為に定期的にあのワンボックスカーは先輩の家に来ていた…そうとしか思えなかった。
ここは何も言わずに引いた方が良いのか解らず俺はその場を動かなかった。
その時だった。
不意に俺の携帯がジャズ演奏を始めた。音量低めなのに高々と大音量で鳴り出す携帯に俺は慌てて止めようとしたが、時既に遅かった。
「ひ…ヒロ君。」
「あっ…えっとその…何て言うか、き、奇遇ッスね。」
俺は一体何をいってるんだ。
携帯の音に振り向いてしまった先輩が複雑な顔で俺を見ていた。
(まずい…警戒されてる。)
俺はこの最悪な出会いを何とか打破しようとするが、名案が何一つ浮かばなかった。
…が。
「ヒロ君…。」
「あ、あの…俺コンビニの帰りに偶然ここに来て、決して疚しい事は…。」
「ヒロ君!」
「はいっ!」
「携帯鳴ってるよ。」
「え、あっ…。」
先輩の反応は意外にも普通だった。