Cold Phantom [前編]
※
「そこから先はあんまりよく覚えてない。ただ悲しくて、入院生活の思い出なんて嫌な物でしか無かった。」
「…先輩。」
本当は言葉を返す必要があったのかもしれないのに、俺は先輩の暗い人生を聞いてしまいかける言葉を見つけられずにいた。
そんな沈黙を先輩は直ぐに一掃するかの様に話を始めた。
「もう5年前のお話だから今は吹っ切ってるよ。それにごめんね。」
「ごめん?」
「暗い話しちゃった。せっかくヒロ君が家にあがってお話してたのに。」
「あ、いえ…気にしなくて良いッスよ。」
そう言って先輩の笑顔を見ていた。
表情豊かな先輩のその変わり様に今回は流石に着いていけなかった。
「そこから先はあんまりよく覚えてない。ただ悲しくて、入院生活の思い出なんて嫌な物でしか無かった。」
「…先輩。」
本当は言葉を返す必要があったのかもしれないのに、俺は先輩の暗い人生を聞いてしまいかける言葉を見つけられずにいた。
そんな沈黙を先輩は直ぐに一掃するかの様に話を始めた。
「もう5年前のお話だから今は吹っ切ってるよ。それにごめんね。」
「ごめん?」
「暗い話しちゃった。せっかくヒロ君が家にあがってお話してたのに。」
「あ、いえ…気にしなくて良いッスよ。」
そう言って先輩の笑顔を見ていた。
表情豊かな先輩のその変わり様に今回は流石に着いていけなかった。