Cold Phantom [前編]
二章第一話 Take one
※※
「…潤いが足りない。」
「えっ?」
それは突然のみーちゃんのセリフだった。
時期は5月上旬。清々しい程の晴れ間の見える昼休憩の中庭のベンチで、思いもかけない一言に私は声をあげた。
「潤い?」
私からみーちゃんを挟んで奥側にいた沙冬美が私も聞きたかった質問をぶつけていた。
「そう、なんかこう…ドキドキしてワクワクしてムラムラさせてくれる様な、例えるならマイナスイオンの様な澄んだ潤いが足りない!」
「…随分と情熱的なマイナスイオンなのね。」
熱く語るみーちゃんに対して落ち着いた返事をする沙冬美を横目に私は返事の機会を失ってしまった。
「まぁ、つまり美咲は刺激が欲しいのね。」
「そうとも言う。」
「普通はそうとしか言わないわよ。」
沙冬美はみーちゃんのどこか違う比喩表現に小さな笑みを浮かべながら、食べ終えたお弁当を片した。
「…潤いが足りない。」
「えっ?」
それは突然のみーちゃんのセリフだった。
時期は5月上旬。清々しい程の晴れ間の見える昼休憩の中庭のベンチで、思いもかけない一言に私は声をあげた。
「潤い?」
私からみーちゃんを挟んで奥側にいた沙冬美が私も聞きたかった質問をぶつけていた。
「そう、なんかこう…ドキドキしてワクワクしてムラムラさせてくれる様な、例えるならマイナスイオンの様な澄んだ潤いが足りない!」
「…随分と情熱的なマイナスイオンなのね。」
熱く語るみーちゃんに対して落ち着いた返事をする沙冬美を横目に私は返事の機会を失ってしまった。
「まぁ、つまり美咲は刺激が欲しいのね。」
「そうとも言う。」
「普通はそうとしか言わないわよ。」
沙冬美はみーちゃんのどこか違う比喩表現に小さな笑みを浮かべながら、食べ終えたお弁当を片した。