Cold Phantom [前編]
二章第二話 Take two
※
5月下旬。
時期的には少し早い叩きつける様な大雨がその日は降っていた。
「もはや梅雨入りだな。」
昼食時の長い休憩時間、教室の最後尾の窓から外を眺めていると後ろから里村が話しかけてきた。
俺は入らないやる気を絞りだし里村の言葉に対して返事を返す。
「俺はぶっかけよりざるそばの方が好きだ。」
「そうか、俺はつゆを先にぶっかける方が好きなんだが…」
「そっか…」
…一体何の話だ。
自分から切り出したジョークでありながら心中でそう思った。
「どうした、悩み事か何かか?」
里村が俺の後ろ姿を見ながらそう聞いてきた。
心配されるくらいだから今の俺は憂鬱な気分になっている様に見えるんだなと思った。
「大した事じゃない、考え事してるだけ。」
「考え事?猿にしちゃ珍しいな。だから大雨なんだな。」
「…そうだな。」
「…。」
会話が途切れた。
暫くたって…
「突っ込まないんだな、猿」
「…そうだな。」
「本当にどうしたんだ。猿」
「大した事じゃない…」
「考え事してるだけなんだろ。」
そう言って里村が話のループを絶ちに出た。
5月下旬。
時期的には少し早い叩きつける様な大雨がその日は降っていた。
「もはや梅雨入りだな。」
昼食時の長い休憩時間、教室の最後尾の窓から外を眺めていると後ろから里村が話しかけてきた。
俺は入らないやる気を絞りだし里村の言葉に対して返事を返す。
「俺はぶっかけよりざるそばの方が好きだ。」
「そうか、俺はつゆを先にぶっかける方が好きなんだが…」
「そっか…」
…一体何の話だ。
自分から切り出したジョークでありながら心中でそう思った。
「どうした、悩み事か何かか?」
里村が俺の後ろ姿を見ながらそう聞いてきた。
心配されるくらいだから今の俺は憂鬱な気分になっている様に見えるんだなと思った。
「大した事じゃない、考え事してるだけ。」
「考え事?猿にしちゃ珍しいな。だから大雨なんだな。」
「…そうだな。」
「…。」
会話が途切れた。
暫くたって…
「突っ込まないんだな、猿」
「…そうだな。」
「本当にどうしたんだ。猿」
「大した事じゃない…」
「考え事してるだけなんだろ。」
そう言って里村が話のループを絶ちに出た。