Cold Phantom [前編]

「まぁ、マスターの声を聞いてたら何となくどんな感じなのか想像つくけどね。」
締めにみーちゃんの一言でマスターは渋い顔をした。
「まったく、若い子がみんな揃って大人をなじりすぎだっての。そりゃまぁ、厳しすぎなのはちょっとは認めるけど…」
マスターはそう言いながらちょっと怒った風を見せた。
そこに返事をしたのはみーちゃんだった。
「その鬼教官ぶりを発揮しすぎて、ヒロを捻りすぎた挙句、若い力を絞りすぎるのはあまりにも可愛いそすぎるから、うるさすぎるくらいに言ってやらないとマスターの場合人の話を聞かなすぎるところがあるし…。」
「先輩、すぎすぎ言いすぎですよ。」
「お、里村君。ノリ良すぎ。」
言いながら里村君の肩を叩きながら笑うみーちゃん。
すると…
「あぁ、今日の残業は美咲と里村君に決定って事で異論は無いわけだね。」
「えっ？」
「お、俺もですか！？」
里村君は驚き聞き返すが、マスターは…
「勿論」
の一言で返してきた。
「ふ、普通に返事しただけなのに…。」
そう呟く里村君。