Cold Phantom [前編]
今は止めたけどね、と付け足して美咲は話を続けた。
「あの時は自分がギターを弾けるってのが誇りだったんだ。だから地元じゃ最年少のミュージシャンだった。」
「どうして止めたの?」
「祥子と出会ったから…っと言っても分からないよね。」
美咲は一旦言葉を止め、再度話を始めた。
「自分はギターにはそれなりに自信があった。だから自惚れてたんだろうけど、いざ演奏を始めても誰も足を止めなかったんだ。始めの頃はこんなもんなんだろうなって思いながら何度か演奏してた。…でも」
「来なかったのね。」
「そう、誰も足を止めなかった。そのうち自信も失い始めて…何日かの合間を空けて(これで最後にしよう。)そう決めた日に…祥子に出会ったんだ。」
美咲は歩を緩め私の目を見ながら更に話を続けた。
「あの時は自分がギターを弾けるってのが誇りだったんだ。だから地元じゃ最年少のミュージシャンだった。」
「どうして止めたの?」
「祥子と出会ったから…っと言っても分からないよね。」
美咲は一旦言葉を止め、再度話を始めた。
「自分はギターにはそれなりに自信があった。だから自惚れてたんだろうけど、いざ演奏を始めても誰も足を止めなかったんだ。始めの頃はこんなもんなんだろうなって思いながら何度か演奏してた。…でも」
「来なかったのね。」
「そう、誰も足を止めなかった。そのうち自信も失い始めて…何日かの合間を空けて(これで最後にしよう。)そう決めた日に…祥子に出会ったんだ。」
美咲は歩を緩め私の目を見ながら更に話を続けた。