Cold Phantom [前編]
「私はラブソングを歌う事が多かったんだけど、その日は違う歌にしてた。人を元気付けるようなそんな明るい歌、私は色々な歌を弾き語りしてそれまでもずっと頑張ってきたんだけど、やっぱり結果は変わらず誰も見てくれなかった。」
「…。」
私は美咲の話をただ黙々と聞いていた。
美咲が自分の過去、それも暗い過去を話すなんて珍しくて私は言葉を無くしていた。
美咲の話は続いた。
「時間も遅くなって、私も諦めがつきかけた時に、最後の歌で…出会ったんだ、祥子に。」
美咲は少し顔を上げ小さな笑みを浮かべた。
「私が歌っている途中に祥子が拍手してくれたんだ。初めての拍手をね。」
話しながら美咲は空を見上げた。
「あ…」
私はその美咲を見て思わず声をあげた。
初めて見たかもしれない…美咲の涙を…。
それに気付いたのか、美咲は人差し指で涙を拭った。
「ははっ、まったくこの程度の事なのに未だに涙でちゃうなんてねぇ。」
美咲は笑いながらそう答えた。
「…。」
私は美咲の話をただ黙々と聞いていた。
美咲が自分の過去、それも暗い過去を話すなんて珍しくて私は言葉を無くしていた。
美咲の話は続いた。
「時間も遅くなって、私も諦めがつきかけた時に、最後の歌で…出会ったんだ、祥子に。」
美咲は少し顔を上げ小さな笑みを浮かべた。
「私が歌っている途中に祥子が拍手してくれたんだ。初めての拍手をね。」
話しながら美咲は空を見上げた。
「あ…」
私はその美咲を見て思わず声をあげた。
初めて見たかもしれない…美咲の涙を…。
それに気付いたのか、美咲は人差し指で涙を拭った。
「ははっ、まったくこの程度の事なのに未だに涙でちゃうなんてねぇ。」
美咲は笑いながらそう答えた。