Cold Phantom [前編]
「そう…何だか私の知らない美咲を知ったかも知れないわね。」
「まぁ、今言った事が話の全てじゃないんだけどね。」
「そうなの?」
「うん、でも…そっから先は秘密にしとく、って言うか祥子曰く秘密にしてほしいらしくてさ。」
「言い辛い事みたいね。」
「祥子にとってはそうかも知れない、って事かな。」
「…っと言うと?」
「私ならむしろ秘密にはしないかも…まぁ、人それぞれなのかも知れないけど。」
美咲は言いながら腕を組み無言になってしまった。
ここは話題を変えた方が良い気がして、私は鞄を漁った。
「話を戻すわ。少し前に良いものを見つけたの。私じゃ使い道無いし。」
「ん?おぉ!!」
私が鞄から取り出した物に美咲は感動してくれたようだ。
私が取り出したものそれは…
「ユニバーススタジオのチケットなんて良く持ってたね紗冬美。」
「居間の棚にあったのよ。親は勿論だけど、私も柄じゃ無いもの…。」
言いながら私は「はい。」と美咲にチケットをあげた。
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