Cold Phantom [前編]
「と言う事はつまり…。海とかプールとかは駄目って事ですね。」
「そう言う事。まぁ断言出来ないから一応ね。」
先生は手に持っていたコーヒーの入った紙コップを一気に飲み干し手短なゴミ箱に投げ入れると話を続けた。
「後は、もし祥子ちゃんのこれからの人生で重要になるんじゃないかと思う人にこの事を教えてやって欲しいんだ。」
「えっ…でも、それじゃぁ祥子ちゃんが可哀想…」
「気持ちはよく分かるよ。でも付き合ってて突然発狂されたら困惑するだろうし、それにその相手も危ない。もし発狂した時は迷わずにこの病院に連絡して欲しい。それだけ伝えておいてくれたら良いんだ。」
先生はそう言って私の目をまっすぐに見た。
私は色々と腑に落ちない物を感じながらも…
「はい…」
と、先生のお願いを聞き届けた。
< 258 / 321 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop