Cold Phantom [前編]
「先輩、おはようございます。先輩も早いッスねぇ。」
「おはようヒロ君。みーちゃんから補欠でヒロ君を連れてくるって聞いてたんだけど、本当にヒロ君が居てちょっとびっくりしたかな。」
「あはは、やっぱり驚くッスね。」
「でもみーちゃんらしいチョイスかな。紗冬美が今日は空けられないって言うし、湯川君だけ男一人なのも可哀想だし、ヒロ君なら楽しくなりそうだし。」
先輩はそう言いながらまたあの笑顔を向けてきた。
体の尺に合わない大人の微笑を…その表情に俺はまたドキドキさせられた。
最近…そう、それもみーちゃん先輩のあの一言からいつも祥子先輩にドキドキしっぱなしだった。
今までに感じたことの無かった熱い想いを、これが恋をするって事なんだと今は嫌と言うほど感じていた。
正直そんなことに高校生にもなって気付くのも変な話だが…
「ヒロ君はユニバーススタジオって来たことある?」
「俺はたけと後何人かで中学生の時に来た事あるッスよ。」
「そうなんだ。私は初めてなんだけど、面白そうだよね。」
先輩は言いながら入場門を眺めた。
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