Cold Phantom [前編]
「でも本当に美味しいね。このタマゴサンドとかほんのり甘めだし、ハッシュポテトも油っぽくないし、店のメニューそのままの味だね。」
祥子先輩は口止めする俺の隣でサンドイッチをゆっくり味わいながら言った。
「本当に腕上げたね。」
祥子先輩のその素直な感想と満足そうな笑顔に俺はまた視線を外しそうになる。
「ど、どもッス。」
興奮する脳を落ち着かせてどうにか絞り出したセリフがそれだった。
なんと言うか格好悪い、何をやってるんだろうか俺は…

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