Cold Phantom [前編]
昼食も終わり片付けを済ませた頃には3時半を少し過ぎていた。
「うーん…」
みーちゃん先輩が腕を組みながら何か考えていた。
「どうした?腹でも痛いのか?トイレならすぐそこに…。」
「なんでそこでトイレの話題になるのよふーみん…デリカシーもへったくれも無いわね。」
「…まぁ、そのデリバリーだかテレパシーだかは置いといて、一体何唸ってるんだ?」
そう茶々を入れる湯川先輩を無視して、みーちゃん先輩は口を開いた。
「何て言うか、来る時以上に曇って来たな思って…。」
言われて俺は空を見上げた。
空は既に黒い雲に覆われ今にも雨が降りそうな感じだった。
「なんか降りだしてもおかしくない感じだね。」
祥子先輩も空を見上げてそう言った。
その時だった、みーちゃん先輩が一つの提案を出した。
「ねぇ、ここら辺で二組に解れない?」
「え?」
俺は思わずそう返した。
あんまり唐突だったので返す言葉がすぐに出てこなかった。

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