Cold Phantom [前編]
「コラコラ、ついていくだけとか言わないの!」
私の言葉に反応したのか、少し激しい口調で返してきた。今回学校の門前で集合したのは、それまでの経緯を語ると長くなるのだが、端的に言うと新入生の下見。理由は彼氏作りと言う少し不純な理由だった。
勿論案を出したのはみーちゃんの方。元より案を出すまでも無く決定事項としてみーちゃんの中では成り立っているようだった。みーちゃんは年下好きだから…
そんな中私も参加する事になったのには少し理由があり、みーちゃん曰く…
「それでなくても引っ込み思案で奥手なんだから、彼氏の一人でも作ってその性格治さないと駄目!」
との事だった。私はそんな気遣いをしてくれるみーちゃんをとても嬉しいと思っている。でも今回の事は少々ありがた迷惑な所が多い。彼氏の事について興味が無い訳じゃない。だけど…
「ほらっ、行くよ♪」
みーちゃんはそう言いながら私の腕を掴み走り出す。その後ろ姿を見ながら申し訳ない気分で後を追った。
私に彼氏なんて似合わないなとそんな事を思ってしまったから…
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