Cold Phantom [前編]
「私ね、記憶喪失ともう一つ病気を持ってるんだ。」
私がそう切り出したのは観覧車に乗ってしばらくしてからだった。
まだ頂上にはたどり着いてないけども、既に高さの半分以上は越えていた。
ヒロ君はそんな私の言葉にも黙って聞いていた。
「それは心の病気、記憶喪失になる前に私に何があったか解らないけど、ヒステリックを起こしちゃうの。」
「…そうッスか。」
「ただのヒステリックじゃないの。私はその時の事を良く覚えてなくて、でも私の周りでは傷だらけで…病院にいた頃に私の主治医だった人もボロボロになってた事があって、それから…私は自分自身が怖かった。」
「…。」
ヒロ君は更に神妙な表情になった。
無理もない、こんな私の話を聞かされたら誰でも怖いって思うだろう。
「もう解るよね、私はそうやって人に怪我ばかりさせてきたから、ヒロ君には迷惑をかけられない、かけたくない。」
「それで逃げた…そう言う事ッスね。」
私はヒロ君のその言葉に頷いた。
私がそう切り出したのは観覧車に乗ってしばらくしてからだった。
まだ頂上にはたどり着いてないけども、既に高さの半分以上は越えていた。
ヒロ君はそんな私の言葉にも黙って聞いていた。
「それは心の病気、記憶喪失になる前に私に何があったか解らないけど、ヒステリックを起こしちゃうの。」
「…そうッスか。」
「ただのヒステリックじゃないの。私はその時の事を良く覚えてなくて、でも私の周りでは傷だらけで…病院にいた頃に私の主治医だった人もボロボロになってた事があって、それから…私は自分自身が怖かった。」
「…。」
ヒロ君は更に神妙な表情になった。
無理もない、こんな私の話を聞かされたら誰でも怖いって思うだろう。
「もう解るよね、私はそうやって人に怪我ばかりさせてきたから、ヒロ君には迷惑をかけられない、かけたくない。」
「それで逃げた…そう言う事ッスね。」
私はヒロ君のその言葉に頷いた。