Cold Phantom [前編]
私は視線を外していた。
果てしなく続いているかのような灰色の空を私はただ見ていた。
ヒロ君の顔を見るなんて私には出来ない。
「それが…先輩の悩みなんッスね。」
「え?」
ヒロ君の突然の言葉に振り向く。
ヒロ君が近くまで手を伸ばし、私の手を取った。
「俺は今まで女の子を好きになる事はなかった。だから恋する事の感覚が高校生になっても解らなかった。鈍感だったから…。」
ヒロ君の私の手を握る力が微かに強くなった。
「バイトを始めた頃からただ何となく先輩の事が気になって、数日前に美咲先輩に好きなのかどうかって言われて初めてこの想いを知る事が出来た。それくらい鈍感だったけど、それを知ってからずっと眠れない日々を今日まで送ってきてたッスよ。」
「ヒロ君…」
「先輩が逃げるように去った時、情けないけど俺はどうしてあげれば良かったのか解らなかった。女の子の事、何も解ってなかった。」
果てしなく続いているかのような灰色の空を私はただ見ていた。
ヒロ君の顔を見るなんて私には出来ない。
「それが…先輩の悩みなんッスね。」
「え?」
ヒロ君の突然の言葉に振り向く。
ヒロ君が近くまで手を伸ばし、私の手を取った。
「俺は今まで女の子を好きになる事はなかった。だから恋する事の感覚が高校生になっても解らなかった。鈍感だったから…。」
ヒロ君の私の手を握る力が微かに強くなった。
「バイトを始めた頃からただ何となく先輩の事が気になって、数日前に美咲先輩に好きなのかどうかって言われて初めてこの想いを知る事が出来た。それくらい鈍感だったけど、それを知ってからずっと眠れない日々を今日まで送ってきてたッスよ。」
「ヒロ君…」
「先輩が逃げるように去った時、情けないけど俺はどうしてあげれば良かったのか解らなかった。女の子の事、何も解ってなかった。」