Cold Phantom [前編]

「中々見た目格好いいじゃない。それで秀才だなんて、正に理想の男の子って感じよね。」
同じ事をみーちゃんも思っていたようだ。
「でも見た目に反して軽い奴っすよ、こいつは♪」
「ふーん、見た目によらないのね。」
「あの…俺は見た目だけではどう言う風に見えてるんですか？」
里村君は不意にそう言うとたけ君とみーちゃんは同じ返事を返した。
「真面目な奴。」
「真面目な男の子。」
…っと
私も声には出さなかったものの、心中では同じ事を思っていた。
里村君はそんな私たちを見て小さなため息をついた。
ちょっとショックだったようだ。
そんな空気を変えるかの様に私は先程から気になっていた事を聞いてみた。
「そう言えば、帰らないの？友達も集まってるのに。」
「あぁ…いやそれが……もう一人ダチがいるんっすけど、先生に呼ばれちゃったみたいで…。」
「呼ばれた？」
私が不思議そうに言うとたけ君は呆れた口調でこう言った。
「先生の話中に居眠りしたみたいで、その事で呼び出しを食らってしまって…。」
「…。」
私はそれを聞いて絶句した。
絶句…いや、そこまで大袈裟では無いけどそれに近いものだった。
言いたい事は一つに絞れているのに言葉に出来なかった。