Cold Phantom [前編]
それにしても…今のは何だったのだろう。
見覚えがあるような無いような曖昧な記憶のフラッシュバック、確信は持てないけど何となくそんな気がした。
私の過去に何かあったのだろうか、でも校門前の記憶なんて学生時代でしか見ることが無い筈なのに…この2、3年校門での出来事なんて私には無い。
だとしたら、本当に今のは何だったんだろう?
意味もわからないのに気になってしまう。
何か…重要な事を私は忘れているのかも知れない。
それにこの違和感…
何に対しての違和感なのかも分からない。
本当に曖昧過ぎる記憶。
みーちゃんと別れた後も、無性に気になってしまったその出来事を無視できず、夜も中々眠れなかった。

どうしてこんなにも気になってしまうのだろうか。
私はその一日ずっと同じ事を考えていた。
< 52 / 321 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop