Cold Phantom [前編]
「俺さ、また陸上部しようかなって思って2週間前くらいから早起きしてジョギングを始めたんだ。それが早起きの理由。」
「なるほどな。」
俺はそう返事すると里村は小さく笑みを浮かべた。
何だか本当に嬉しいようで、その後は中学時代の陸上部の話を予鈴が鳴るまで続けていた。
彼なりに、目標を探している様だ。俺はそんな里村の決意がうれしく思えた。

…それにしても。
(里村が陸上部ねぇ…。)
ミスマッチ…とは言わないまでも、今までの里村からは想像出来ず違和感が拭いきれなかった。

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