Cold Phantom [前編]
「慌てることは無いんじゃない?」
続けて姫納先輩も聞いてくる。
「慌ててる訳じゃないっすよ先輩。ただ…」
「ただ?」
「今日の日を楽しみにしてたんっすよ。」
「部活が好きなんだね。」
「そうっす。」
「何、姫納ちゃん。部活の勧誘?」
「そう言う訳じゃ無いんですけどね。」
と、先輩はそう言って保険医に聞かせた。
それから暫く後、先輩や保険医と別れ、教室に戻って来るとそこには誰もいなかった。
あれ?っと思ったのは一瞬だった。
良く考えたら体育の時間になっている。
「何だ、誰も居ないのかよ。」
と、誰もいない上に明かりすらついていない教室を見やる。
一人で帰る事だけでも寂しい気持ちにさせるのに、まさか教室までも俺を見放すとは少々気分が萎えてしまう。
まぁ、早退するを羨まれる事になるのを考えると人が居ない方が実はよかったのかも知れないが…。
それはそうと、俺は一つ気になっている事があった。
カバンを持ち上げ一言呟く。
「姫納先輩…か。」
頭に姫納先輩の顔を思い浮かべる。
第一印象はあの小さな笑みだった。
アイドル並とは言わないけど姫納先輩の大人しそうな雰囲気にぴったり当てはまる可愛い笑みが頭から離れなかった。
続けて姫納先輩も聞いてくる。
「慌ててる訳じゃないっすよ先輩。ただ…」
「ただ?」
「今日の日を楽しみにしてたんっすよ。」
「部活が好きなんだね。」
「そうっす。」
「何、姫納ちゃん。部活の勧誘?」
「そう言う訳じゃ無いんですけどね。」
と、先輩はそう言って保険医に聞かせた。
それから暫く後、先輩や保険医と別れ、教室に戻って来るとそこには誰もいなかった。
あれ?っと思ったのは一瞬だった。
良く考えたら体育の時間になっている。
「何だ、誰も居ないのかよ。」
と、誰もいない上に明かりすらついていない教室を見やる。
一人で帰る事だけでも寂しい気持ちにさせるのに、まさか教室までも俺を見放すとは少々気分が萎えてしまう。
まぁ、早退するを羨まれる事になるのを考えると人が居ない方が実はよかったのかも知れないが…。
それはそうと、俺は一つ気になっている事があった。
カバンを持ち上げ一言呟く。
「姫納先輩…か。」
頭に姫納先輩の顔を思い浮かべる。
第一印象はあの小さな笑みだった。
アイドル並とは言わないけど姫納先輩の大人しそうな雰囲気にぴったり当てはまる可愛い笑みが頭から離れなかった。